お気に入りだったそのおもちゃは、
すこしレンチを捻るだけでいとも簡単にただのゴミになってしまった。
(「どうして、壊したの」)
母さんが、僕にそう聞いた。
あんなに大切にしてたじゃない、と息子の奇怪な行動に頭を捻っていた。
ばらばらになったそれを一つ一つ拾い上げて、僕の手の平に乗せる。
(「壊される物の気持ちを考えなさい」)
そう母さんは最後に言って、僕の頭を優しくなでた。
それから、一人でよく考えなさい、と僕を残して部屋からでていく。
一人きりになった部屋はとても冷たくて、なんだかとてもさびしかった。
「ねえかあさん、」
誰にも聞こえないような、小さな小さな声が静まり返った部屋の中に響き渡る。
「どうして、壊したらいけない、の?」
僕の心は、こんなにも高鳴っているのに。
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