恐怖とか焦りとか、そういう負の感情に支配されている時の人間を騙すのは簡単だ。
ただ、その人が欲しがっているような甘くて綺麗な言葉を囁いてやればいい。
自分ではどうすることもできない危機的状況に陥ったときの人間はどれもこれも扱いやすくてたまらない。
特にそれが、まだ世間を知らないセンチメンタルな若者ならば尚更で、もっと付け加えるなら、女性。
例えば今目の前にいる彼女たちのような。
さっきから周囲を魚のようにぐるぐると見渡しているけれど、
騙されている事にすら気づく事の出来ない濁った瞳にいったい何が理解できるというのだろう。
俺という指針がいなければまっすぐ歩く事も出来ないのに。
ああ、本当に、
「君たちは、いいこだねえ」
ばっかみたい。





楽園都市
11/11/11