「今日はどうやって殺してやろうか」
そう告げる彼の瞳はどこまでも薄暗くて、泣きたくなんてないのに、ぽろぽろと涙があふれてくる。
彼と同じ緑の瞳がそんなぼくを見て、ハッと喉奥で笑った。ばかじゃねえの、と嘲る声が耳に届く。
昨日優しくぼくをなでてくれた手は、今は別の誰かのものみたいで、
怖くて、怖くて、逃げたくても、逃げ道なんてなくて、ぼくはまた彼に殺されるんだ、と頭より先に心が理解した。
朝になればまた貴方に会えるのに、その短い別れがぼくはなによりも怖いのだ。
「…チッ、邪魔だな」
しゃきん、と乱暴な金属音が響く。
ぱらぱらとぼくの髪が床に舞い落ちていくのをぼくはただ黙ってみていた。
この彼は、ぼくのこの赤い髪がひどく嫌いなのだ。そしてきっと、臆病なぼく自身のことが。
「(…ごめん、なさい、)」
ごめんなさい、軍人さん。弱いぼくはまた、優しい貴方を苦しめてしまう。
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