いつだってすべてが終わった頃になって現れる優秀な正義の味方様は、
今日もあの女の首を捻り潰したころにようやく、俺の前に現れた。
どうせ無駄なのだから来なければいいのにと、俺でさえ思うほどの遅い登場に、
思わず口からため息がこぼれた。なんとこの街に相応しいヒーローなのだろう。
抵抗のなくなった女の体を無造作に地面に放り投げてから、その白けた空気を掻き切るようにして、
俺はもう一本のナイフを腰から引き抜いた。けれどかのお優しいヒーロー様は、俺のそんな行動よりも
周りに広がる価値のない死体共の方に興味があるようで、馬鹿みたいに蒼白な顔をしながら、俺の方を見向きもしなかった。
「……」
お互いに無言。話すことなど何もない。
俺と奴は正反対であり、そして同系統の気狂いなのだから。
相手が何を考えているかなど言葉を介さなくともきっと明確に理解している。
理解した上でその考えに互いに唾を吐き続けている。ただそれだけなのだ。
「死ねよクソヒーロー」
「いいや、お仕置きの時間だ。殺人鬼」
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